5年モノ (初回限定盤)

5年モノ (初回限定盤)



 「現在もパーソナリティを務めながらにして、伝説みたいなラジオの人」だったり、
 「CMでのみよく見る人」だったり、
 「全然メディア露出がないのに『抱かれたい男』などのランキングでよく見る人」
 でもあったり、
 「ドラマの再放送を見て好きになった人」とかにもなったりする人、
 来年の2月で38歳、福山雅治「f」以来5年ぶりとなるアルバム、
 「5年モノ」。

 
 「虹」、「それがすべてさ」、「泣いたりしないで」など、
 過去に発売したシングルに収録された曲が大半のため、
 シングルコレクションという名前もついているが、ベスト盤などではなく、
 紛れもない、5年ぶりの福山雅治のオリジナルアルバム。


 
 先に書いたような福山雅治のイメージ像は、かなり多くの人が持っていて、
 私自身も、冒頭に書いた「ラジオの人」というイメージが大きく、
 「歌手」としての福山雅治のイメージは遠いところにある場合もあるのだが、
 このアルバムを聴くと、彼の「歌手」として、そして「音楽家」としての
 力を感じさせられる。


 
 …この辺りから、話をくだきます。



 合コンのあとのカラオケとかで口説き文句代わりに使われるのがもったいない。
 でも、そうやってカラオケで多くの人に歌われる、っていうのは、
 それだけ多くの人に伝わりやすくて、普遍的で良い歌、ってことなのかもしれない。
 

 録っている音とかもきれいで凝ってあるからじっくり聴きたいけれど、
 歌いやすいメロディだからついつい聴きながら一緒に歌ってしまう。


 福山さんの歌を聴くと、いつもそんな矛盾で頭を悩ませたりするんですが、
 聴きながらそんなことを考えている間に、やっぱりいい曲だから
 浸ってしまうか、一緒に歌ってしまう。




 本当はいろいろと理屈をこねてしゃべりたいんだけど
 (福山さんの曲は職人的造りでもありますから)、
 そうしようと思えばできるけれど、
 良い歌は良い歌なんだから、いいじゃない、といってしまうような。良い曲。
 そんな曲ばかりが収められたアルバムです。



 性別、年齢問わず「いいね」と言えるアルバムだと思います。これは、本当に。
 なかなかないですよ、このニーズが細分化された時代に、これだけ広いのって。
 

 
 5年開いたけれど、聴いた瞬間にそんなことを忘れるぐらいの、良いアルバムです。

 
 でも次はもう少し早く出して欲しい、そんな期待もしてしまうアルバム。