ミヤビクエスト・第28話

  • 第28話〜階段〜

 
 …「秘技!キャラ壊し…。」
 踊り子は魔物の下駄の鼻緒を引きちぎった!
 「あぁ!オレの鼻緒がぁ〜!!これじゃあもうカランコロン言わせられないじゃないか
  ぁ!!!」
 うのっぱは魔物の下駄キャラを壊した!が、魔物はそれによってより面倒臭い感じに騒ぎ出した!どうやら、下駄キャラが壊れたせいで魔物の真のキャラを引き出してしまったらしい。
 「…ごめんなさい。まだ目覚めたばっかりで、どこかが不完全で、なんだかさらに面倒な感じに
  なってしまって…」
 「そうだよ!どうしてくれるんだよ!この鼻緒!これはオレが自分でがんばって作った下駄
  で…」
 「それ、嘘ですよね」と、トシが言っても…
 「あぁ、嘘だよ!とにかく、どうしてくれるんだよ!え?弁償?弁償?」
 魔物は暴走している!
 「まぁまぁ、魔物さんも抑えて抑えて…」
 雅はとりあえず魔物をなだめようとした。その時…
 魔物は宙に舞い上がり、天井を突き破り遠く遠くに飛んでいった!
 「え!嘘?オレの下駄は?オレの下駄は〜〜〜〜っ!」
 …それが魔物の最後の言葉であった。その魔物が今までいた場所には、中段蹴りの姿勢のまま静止したちゃおの姿が…
 「ああいうヤツはこうするのが一番アル」
 「ほえ〜、ちゃおすご〜い」
 「…外は良い天気アル」
 魔物によって天井に開いた穴から綺麗に日差しが入り込んだ。ちゃおと千は静かに狭く見える空を眺めた。雅は蹴りにびびって腰を抜かしていた。トシはメガネを拭いていた。うのっぱは反省していた。ポコは今日の晩御飯を気にしていた。
 雅たちは下駄をはいた魔物を倒した!ちゃおは蹴りが強くなった!千は微笑が1上がった!雅はコケ方が上手くなった!トシのメガネが綺麗になった!うのっぱは「キャラ壊し」レベル1を覚えた!ポコは今日の晩御飯はラーメンがいいなと思った!



 日の差し込む洞窟。壁に日光が当たると、壁には何かの模様が浮かび上がり、突然その壁が崩れた!その崩れた壁の跡から、下り階段が現れた!
 「え?何この階段は?偶然魔物を蹴り飛ばして開いた穴がこんな階段を出現させるなん
  て…」
 「ま、結果オーライですよ」
 超能力ネタやツッコミでないときはどうしゃべりの個性を出していいかわからない雅とトシはそう言った。
 「とにかく、行ってみるアル」
 「ほえ〜、そうしましょう」
 誰のセリフかはっきりさせなくてもわかる二人は階段を下りることを提案した。
 うのっぱは何も言わず一人階段を下りていった。



 果たして、この階段の下には何があるのか?何者が潜んでいるのか?
 次回に続く…



 ゴブリン(与一)は眠っていた。前日仲間のゴブリン(与一)たちと酒盛りをしていたため、ぐっすりと眠っていた。その時…
 「下駄、下駄〜〜〜っ!」
 自分の家の天井を突き破り、自分とは違う魔物が落ちてきた。
 雅たちは間接的にゴブリン(与一)を倒した!雅たちは、なんだか忘れていたへそくりが出てきたような気分になった!
 「なんだかわからないけどオレ、強くなった気がする…」
 「雅さんまたまた…、あれ?でも、何かそうですね、強くなった気が…」



 …続く