ミヤビクエスト

  • 第16話〜この回は実はなにもしてない〜

 「雅はレベルが上がった!ムチャクチャ強く、とてもかっこよくなった!」
 「…雅さん、自分で「レベルが上がった!」とか言っても意味ないですよ。」
 「そうアル。それは『天の声』が言ってはじめて意味のあるセリフアル。」
 そのとおり。
 「ほえ…?今誰か、「そのとおり」って言いませんでした?」
 「いや、誰も言ってないよ。そうだよなぁ。自分で言ってて恥ずかしくなってきた…」
 そんなやりとりをしながら一行は旅を続けた。



 「あぁ、ダメだ。勇者を倒すためにはもっといろいろと努力・練習しなきゃ…」
 「そうだね、“死憂怪室”にこもって、もっと強い魔物を出せるようにしないと、こう、お腹から力強く…」
 可愛い死神は強くなるために一旦雅一行を狙うのを止め、修行へと向かった。勤勉な死神もいるらしい。



 こうして、比較的平和なまま歩いていると…
 「雅さん、あそこに村みたいなのがありますよ!」
 「そうだねぇ…ん?でもなんか変だぞ?」
 雅たちはとりあえず近づいて村の入り口を見てみると…
 『ゴブリンの村へようこそ!』の看板が。村の中をのぞくと、数件の家と店、畑などがあるものの、人影もゴブリンの影も見当たらなかった。この村の住人たちはみな建物の中にいるらしく、本当にゴブリンの村かどうかを確認することはできなかった。
 「ほえ…、どうします?村ごと焼きます?それとも入ってみます?」
 …雅たちは悩んだ。小一時間は悩んだ。そして…
 

 「よしっ!」
 …雅の決断は?この村は本当にゴブリン村なのか?次回につづく…