ミヤビクエスト

  • 第4回〜まだ旅立たないの?〜

 …酒場の主人ゆっきーとの飲み比べに苦戦(というか惨敗)の雅とトシ。そこに突如現れた少女、ちゃお。「私が飲んでやるアル!!」となぜか急に酒場の主人、ゆっきーと飲みだしたが…


・4回表
 ちゃおとゆっきーが飲みだして3時間…さすがのちゃおも、もうすでに満身創痍であったが、店主のゆっきーは最初とまったく変わらなかった。そうこうしているうちに、店中の酒はほぼ尽きていた。

 「あれ、もうお酒がないわぁ。『星の白金』も『黄金の旋風(かぜ)』もなくなったけど、まだ飲み   足りないし…、どうしよう?」
 「さ、酒ならまだあるアル!この、武術の師匠から授かった銘酒『なぎなたの舞い』が!」
 「あ、それは伝説の酒『Yらごろし』と並び称される幻の酒『なぎなたの舞い』!もう飲み比べな   んてどうでもいいわ!一緒にゆっくり飲みましょう!」

 
 なんとか銘酒の力でゆっきーに気に入られることができた、…が気に入ってもらえたのは雅ではなく謎の少女、ちゃおだった。その頃、当の雅は、店の中で深い眠りに落ちていた…。


 翌朝、雅は目をこすりながらいつものように自分の右を見た。そこには自分の妻でなく、同じように酔って眠っていたトシの顔があった。そして正面には、いきなりゆっきーとの飲みに割って入ってきた少女、ちゃおがいた。
 「キミは…、誰?」
 「アンタが雅アルね?私、ちゃおアル。お師匠サマが、世界の平和のために雅いう人の仲間    になって魔物を倒せ、って言うから、仕方なく仲間になってやるアル。」
 「し、師匠って…?」
 「私には、武術の師匠とツッコミの師匠と二人いるアル。でも、そんなことどうでもいいアル。と   にかく、もう旅に出るアル!さっさと来るアル!」
 ちゃおが仲間にくわわった!(みなさんで仲間が加わった時の音楽を、頭の中で…)
 こうして、雅とトシはちゃおに蹴られながら酒場をあとにするのであった。
 …そのころ、ゆっきーはまだ酒を飲み続けているのであった。
・4回裏
 ちゃおとゆっきーが飲みだしてから約1時間後、雅は酔っていた。自分はなんでもできる気がしていた。酒のビンも手を使わずに動かせるような気がした。ためしに念じてみると、ビンは宙に浮いた。
 「オレってすげぇ!」そう思った雅は、何だかビンを遠くに飛ばせるような気もしてきた。そして、念じてみると、宙に浮いたビンはふっと消えた。
 「やったぁ!」と思うのも束の間、雅は睡魔に襲われ意識を失った。


 …とある山奥、ゴブリン(与一)は通りかかった人を襲おうと木陰に隠れていた。そこにどこからともなく酒のビンがあらわれ、ゴブリン(与一)の頭上に落下した!→雅は(酔った勢いで)ゴブリン(与一)を倒した!雅はレベルが上がった!「小話」が少し上手くなった。「絡みづらさ」が1上がった!


 次の日、雅はトシとちゃおにこう言った。
 「いやぁ、昨日オレ、酒瓶を宙に浮かせて、飛ばしたんだよ!オレってエスパーだよ!」
 「いや、それ夢ですよ。僕らものすごい酔ってたし…。」
 「オマエ、絡みづらいアル」
 「あ、うん、そうだよね。夢だよね…、起きてからやってみたらできなかったし…ごめん」


 まだ旅は始まったばかりだ!…つづく


 …ムチャクチャ長くて、本当にすいません。読んでくださったみなさん、本当にありがとうございます。