ASIAN KUNG-FU GENERATION Tour酔杯2006-2007 "The start of a new season"


 昨日参加してきたライブのことをもう少しまとめて書こうかなぁ、と思います。
 ライブレポ、のような感じではなく、もっとゆるく、
 自分がどうしていたかとかの比重が高くなると思います。


 11月19日、雨。ちょうど、このぐらいなら傘は差しておくか、と思う程度の雨。
 名古屋市総合体育館・レインボーホールの最寄り駅、
 JR笠寺駅は普段のものとは違う混雑。
 この日はアジアン・カンフー・ジェネレーション初のアリーナツアー
 「Tour酔杯2006-2007 "The start of a new season"」の名古屋公演。
 


 私は、その2日前、金曜日に自宅近くのコンビニエンスストア
 チケットを購入、誘ってきてくれるような友達もいないので、
 自分の分のみ、1枚のチケットを購入。
 ひとり雨の中プラプラと行く。
 雨は振り続けているのだが、傘を差さなくても平気なぐらいの時から、
 放っておくとすぐ濡れてしまうぐらいまで、度々変化していた。
 手荷物を減らそうと「ほぼ日永久紙袋」(の古いバージョン)に
 折り畳み傘だけ持っていった私は、面倒臭いので
 周りの多くが傘を差している中でも傘を差さずに笠寺駅から
 会場の方へと歩いていった。
 男複数人とか、女複数人とか、男女複数人だとか男女2名という、
 とりあえず複数人ばかりがやはり多く目に付く。
 私と同じようなピン芸人の方も多くいるんだろうけれど、
 やはり複数の人で固まっているのが多い。


 
 そんなことは気にせず、雨が多少強くなったり落ち着いたりする中、
 Tシャツ等を購入後、私は公演の2日前に取ったチケットが
 スダンディングのものだったのでクロークに荷物を預けることにした。
 ひとりで。
 他の荷物全部預けて傘だけ持ってる…っていうのも変なので、
 もちろん傘もビニール袋に入れて預ける。上着も。
 開場まではあと15分ほど。特にすることもないので、並ぶことにする。
 
 
 開場15分前となると、すでに入場待ちの観客たちが多く並んでいて、
 屋根のあるスペースからも大きくはずれるほど人がいる。
 仕方がないので私はひとり上着も傘も無いまま列の後方に着く。
 雨は非常に細かい粒なので、大きく濡れることはないが、
 時に大粒の雫が上から落ちてきて、服の間を通り背中を伝ってびくっとなる。
 ひとりで待ちながら人間観察をしてみるも、
 寒さと雨が気になってネタにできるようなものが見つからなかった。


 そして、入場。アリーナ内はオールスタンディングで、
 ブロックごとに分かれており、
 客席から考えて左から1、2、3。前からA〜Hとなっていた。
 私のチケットはB−3。
 公演の二日前にとったにもかかわらず、前から二つ目のブロックで、
 こういうこともあるんだなぁ、と少し嬉しく感じた。
 


 周囲はその日購入したツアーTシャツに身を包んだ若者たちや、
 自分よりも歳が上の方、またスダンディングのスペースながらも
 ヒールを履いているような人もいた。
 座席があると6000ほどのキャパシティのレインボーホール、
 アリーナをスタンディングにすると、8000人ぐらい収容できる、ということは
 後から知ったのだが、
 とにかく多くの、様々な人がその会場でライブがはじまるのを
 今か今かと待っていた。


 そして開演時間の17時を少し過ぎた頃、
 ゲストバンドの一組目、SPECIAL OTHERSが登場。
 日本のセッションバンド、大きな会場ながら、
 その空間を包むような演奏をしてくれた。


 二組目のゲストバンドはアメリカからOZMA
 外国人ながら、すべて日本語詞で美しいメロディーの
 オリジナル曲「美しい渋谷」を披露。
 たくましさとのびやかさを兼ね備えたステージだった。



 そして、皆が待ちわびたアジアン・カンフー・ジェネレーションの登場。
 まだ2ヶ所3公演目ということで、セットリスト等詳しいことは
 書かないけれども、
 はじめてライブに参加したような人たちも十分満足できる、
 そしてライブに行きなれた者たちは思いっきり盛り上がることのできる、
 本人たちが、
 「NANO-MUGEN FES.のようなことを、
  お祭り的なことを各地に持って行きたい」という言葉にぴったりの選曲で、
 普通ライブに行った際は、ライブハウスなどでは
 後ろですかして見て、大きい会場でも落ち着いて観賞してしまうような
 私も、いた場所の関係もあるけれど、齢23になろうとしている年にして
 はじめて周囲の方々と共に飛び跳ねて、腕を上げて盛り上がった。
 観客を楽しませようというのがよくわかる選曲で、
 実際のステージングでは、バンドのメンバーが楽しそうにしている様が
 よく伝わり、それを見て観客も盛り上がり、
 そしてそれがバンドにもまた伝わる、
 よいコミュニケーションが図られているように感じられるライブだった。
 タイトでシリアスな印象はなく、祝祭的な感覚のあふれる、
 初めてライブに参加したような人がここを起点として
 さらに深くアジカンの曲を、さらに別の音楽を、ライブを
 楽しんでいけるような、そんなスタート地点ともなるような、
 充実したライブであった。


 
 アジアン・カンフー・ジェネレーションは、
 自分たちを媒介にしてさらに広い音楽へと聴取者を誘おうとしている。
 その使命を感じて、それを現在着実に、軸がぶれることなく行動している。
 その行為、考えを全面的に支持したい。
 そして、そうして賛同している人が多いことで、
 昨日のようなライブも大きく成功したのだろう。
 それはなんだか、良い世界だと思う。
 もっと広がれば、個人の世界が広がるだけでなく、
 音楽がもっと広がればいい。



 そんなことを感じながら、ライブを満喫し、会場を後にしました。



 帰りの電車、「ブスの瞳に恋してる」を、
 ルックスがあまりよろしくない方が読んでいて、吹き出しそうになりました。
 でも、そんな様さえ許してしまえるような、そんな充実したライブでした。