ミヤビクエスト第25話

  • 第25話〜休憩?〜

 …偶然にも、うのっぱが壊した壁のところには隠し通路があった!
 「ラッキーっ!とりあえず、この先に逃げましょう!」
 うのっぱは平然とそう言い放ち、壊した壁の先へと進んでいった。
 仲間たちは戸惑いながらも、魔物に囲まれた状況から脱出するため、うのっぱについていった。
 だが、雅たちを取り囲んでいた魔物たちも当然彼らを追おうとする。その時…
 ドガっ!グチャっ!
 魔物たちは一斉に追いかけようとしたため、うのっぱが壊した狭い通路に詰まってしまった!なんだか、丸いケースからなかなかe-maのど飴が出てこないような感じで魔物は動けなくなった!



 雅たちはとりあえず走って逃げた!ちゃおはつまずく物もないのに転んだ!
 雅たちはまだまだ逃げた!ちゃおはつまずく物もないのに転んだ!
 1分ほど全力で走って逃げた!ちゃおはつまずく物もないのに転んだ!


 …ちゃおは千に何故転んだのかの理由を語り、千はそれにテキトーに微笑んでいる。トシは走っている途中で頭から落ちたポコを拾いに行っている。そんな中、うのっぱと雅は…
 「…はぁ、このぐらい逃げれば、ひとまず安心ですね」
 「そうだね、まぁ、でも、本当はあの場もオレの超能力で何とかできたけど…」
 雅はいつも向けられる冷たい視線や厳しい言葉、強い蹴りに備え、仲間から目をそらし、耳をふさぎながら身をガードして、そう言った。
 「そうですよね。きっと超能力でどうにかできましたよね〜」
 「あれ、いつもならここでツッコミが来るんじゃ…」
 「いやぁ、きっと雅さんの超能力でぱぱっとやってくれましたよ〜。ほんと、壁壊すとか余計な
  ことしてごめんなさい」
 「あ、い、いや、まぁ、うん、そんなに激しく肯定したり、謝ったりされると、それはそれで…。
  あ、うん。まぁ、…」
 雅は、いつも通りの何かが壊れてしまったように感じて、少し泣きたくなった。
 雅はレベルが上がった!「時にはそんなこともあるさ」と考えられるようになった!


 
 そうこうしている間に仲間たちの息が整い、みんな周りの状況が見えるようになる。今いる場所からは道が3つに分かれている。
 ひとつは、自分たちが走ってきて逃げてきた道。引き返せば魔物がいるので、そちらに行くことはできない。残る道は、あと二つ。
 「さて、どうしたものか…」
 そう考えていると、ふたつの道の一方から、カランコロンという音が聞こえてくる。
 「なんでしょうね、この音?下駄の音みたいですけど。そっちに行ってみます?」
 「いや、やめておくアル。なんだか、とっても面倒臭い気がするアル」
 「うん、そうだね。じゃあ、とりあえず、逃げて来たところと下駄の音がするところじゃない、残った一つの道を行くことにしようか」
 「賛成!」
 雅たちは全会一致でカランコロンと音のしないほうの道を進むことに決めた。



 雅たちがはさらに洞窟の奥深くに進んでいく…その先には何が潜むのか?
 下駄の音の正体は?雅たちと巡り会うことはあるのか?
 次回に続く…