ミヤビクエスト
- 第7回〜ポールはスライムなので、基本的にはピョンピョン跳ねて移動します〜
…「ポテトのサイズはS、M、A、P、そしてVとありますがどうなさいますか?」
3人は隣町の全国に展開するファーストフード店「Iっき」で食事をしていた。町に入る時にセルフレームのメガネをかけた町の人に町の名前を教えてもらったが、もう忘れてしまった。
「…あのセルフレームの人はきっとどの町でも町の名前を人に教えたがる感じアル」
「うん、そうだね。それよりも、ポテトのVを頼んだらポテトが6本しかないよ…。あ、それと、こ の店の創設者は今は店に関与してなくて、どこに行ったかもわからないらしいよ。」
「いや、ちゃおさんも雅さんも、そんなことはどうでもいいですよ。僕たちは魔物退治の情報収 集のためにこの町に来たんですから。」
「そう、それと可愛い女の子のためアルね」
「…い、いや、それもどうでもいいけど、やっぱり仲間はまだ欲しいですよね、魔法使いとかが いてくれると…」
「それならオレがこうやって酒瓶を…」
「もうその話はいいアル!とにかく、可愛い魔法使いがいればすべてが解決するアル!」
3人はそんなよくわからない話をした後、店を出た。店を出ると雅はかごを持った少女に声をかけられた。
「あの…、マッチはいりませんか?」
「いやぁ、別にマッチなんて使わないし…」と雅は断ろうとしてそのマッチ売りの少女の顔を見た。…そこには、少女の眩しいほどの笑顔があった。
「あ、買います買います。」雅はその笑顔の力で当初とは逆のことを言ってしまった。
「…で、いくらです?」
「(きっぱり)300Gです。」
「300Gぉぉっ!それはぼったくりだよ…」雅がそう言おうとした瞬間、マッチ売りの少女は再び雅に微笑みかけた。それは雅が我を忘れるには十分すぎるほどの笑顔だった。
「い、いや!払います、300G。借金してでも、なにをしてでもっ!」
「そんな身を滅ぼすようなマネはやめてください雅さん!僕らはいしーさんのために魔物退治 の情報と魔法使いを探してるんですから!ね、マッチ売りの人、その辺について何か知りま せん?」
マッチ売りの少女は言った…。
「え?…あのぉ、私実は魔法使いなんですけど…。」
「えぇっ!魔法使いの人が何でマッチ売りなんか…?」
「だってぇ、最近平和で魔法使うこともないしぃ、1Gのマッチが、私の微笑みひとつで300G になるから、この仕事すっごくラクでいいんですよぉ。うふっ。」
「あなたの名前は?」
「あぁ、千って言います。」
…そんな会話が繰り広げられている中、ちゃおの時間は止まっていた。その瞳は今までにないくらい輝いていた。
「…か、可愛いアル!あんなに可愛い子は今までみたことないアル!」そう思いながらも、可愛い女の子に出会えた衝撃で身動きが取れないでいた。
そして、「あぁ、千って言います。」のあたりでやっとちゃおの時計が再び回りだした。ただ、その時、ちゃおは完全に暴走していた。もうマッチ売りの少女しか見えなくなっていた。
「可愛いアル!だから連れて行くアル!さぁ、お嬢さん、一緒にどこまでも行くアル!さぁ!」
「あ、あぁ、はい!」
こうして、ちゃおに無理矢理引っ張られる形で、魔法使いの千が仲間になった!…仲間になった千は、まだちゃおに引っ張られていた。ワケのわからない方向に進んでいっていた。
「ま、待って〜」雅とトシは追いかけた。
…つづく
…ポールは誰もいないのに、まだ雅の小話の続きを待っていた!忍耐力が3アップした!
まだ旅は始まったばかりだ!
…また長くて、すいません。30分ぐらいで書いたら、これぐらいになっちゃいました。読んでくださった方、ありがとうございます。