ふと思う・その2

変な表現かもしれないけれど、目を開けているのが惜しく感じてしまうようなライブだった。
ライブでは、それぞれのアーティストのプレイが目にできるし、趣向の凝らされた衣裳、照明、映像を見ることがライブの楽しみでもある。だが…

今日参加した東京事変の名古屋センチュリーホールでの公演では、ただ音楽だけを聴いていたくなってしまった。椎名林檎さんが歌い舞っている姿だとか、浮雲さんのギターを弾く姿とかではなく、その歌声に、ギターの泣く音に響くリズムに、流れる鍵盤の音に埋もれたくなってしまった。なってしまったし、現に、埋もれた。
アルバム「大人(アダルト)」の終曲「手紙」が演奏されたときにはもう、ただその歌声に圧倒されて目を瞑るしかなく、それでもさらに、泣きそうになってしまった。

独特の世界観を表現した演出もすばらしかったけれど、それ以上に音が―椎名林檎うんぬんではなくバンド・東京事変として素晴らしい、ライブ中からその後まで興奮をじりじりと残し続ける、良いライブだった。

…やっぱり、「透明人間」が好きだ(苦笑)
透明人間の歌詞っぽいなぁと思うし、自分自身、もっとそうなりたいなぁ、と思う。