ミヤビクエスト〜第61話
- 第61話〜ツンデレ、ブラック、偶然
「はい。申し遅れました。私チーフをしております。ま〜し〜と申します。」
「で、チーフのお前が、何か用アルか?」
「ちゃ、ちゃおさん、なんだか雰囲気がどこかの漫画の昆布を食べてる人、
っぽくなってますよ。このチーフの人にはやたらツンツンしてますよ。」
「いや、昆布な人みたいで、それでいいアル。
もう、語尾に「アル」ってつけ始めたときから少し意識してたから、
今さら気づく方が悪いアル。
ま、つんけんして、千様の前ではデレデレすれば、
今ハヤリのツンデレ系の完成だから、それでいいアル?」
「あの〜、だからこのホテルの前であまり騒がないでいただきたいんですけど…」
「だから、お前は何者アル?」
「いや、だから、私、当ホテルでチーフをしております、ま〜し〜と…」
「そのチーフが何か用アルか?」
「ほぇ、ちゃお様、なんか、繰り返しになってるよ〜」
「あぁ、千様、ごめんアル〜。千様は本当にかわいいアル〜。
千様がいればもう、このチーフのことなんか、どうでもいいアル〜」
「今日はなんだか、ちゃおが壊しすぎてて、壊れすぎてて、
私の出る幕がない…」
そんなちゃおのツンデレ(?)にホテルの人間だけでなく、周囲の交通人や仲間たち自身も戸惑っていた。
そんな感じが、5分ほど続いたそのとき、…
「チッ!だからこんな仕事は、もっと若いやつにやらせればよかったのに…
どうしてオレがこんなわけわからない奴の処理をしなきゃいけないんだ…」
同じようなやりとりの繰り返しに疲れたま〜し〜が、態度を急変させた。
トシ、ちゃおたちはもちろんのこと、周囲の交通人も、一瞬凍りついた。
「ったくもう…
…はっ!!すいません!つい地が出たみたいで…
あの、このホテルには各国の要人や世界的スター、VIP、セレブの方々が
泊まっておられるので、このホテルの前で騒がれると、お客様の迷惑となりますし、
ご勘弁いただけるとありがたいんですが…」
「は、はぁ…、すいません。」
ここでやっと一同が落ち着いた。
「あ、あの、ここに明日ピーマン祭でコンサートをする、テラコがいるって聞いたんですけど、
私、彼女の姉なんですけど、どの部屋に泊まっているか教えていただけませんか?」
「あ、あぁ、明日、このピーマン国の国立競技場で7万人の前でコンサートを開くテラコさん
ですか…、申し訳ないですが、お答えすることはできません。
何しろ、ここは超高級ホテルなんで、個人情報は、どれだけピーマンをつまれても
お教えするわけにはいかないんですよ。」
「いや、私、姉なんですけど…」
「何か、証明するものはありますか?」
「証明するもの…う〜ん」
うのっぱは困っていた。このホテルマンを壊して突破しようとも思ったが、
さっきの舌打ちを思い出して、それができないでいた。
そんな時、
「あれ、お姉ちゃん!どうしてこんなところに!?」
テラコが歩いてホテルに戻ってきているところだった。手には、コンビニの袋を提げている。
「ちょっと小腹がすいたから、バンドメンバーと一緒に買い物に行った帰りに
偶然、お姉ちゃんに会えるなんて…」
テラコの横には、バンドメンバーの数人もいた。
バンドメンバーはいったいどういうやつらなのか?
結局、雅と仲間たちはいつ会うのか?
次回に続く!!