ミヤビクエスト
- 第10話〜誘拐〜
雅はとりあえずポテトを食べていた。無難にMサイズのポテトを食べていた。
「このMは、雅のMだよな…」とか、そんなことを言いながら食べていた。
「さて、どうしたものか。この手紙、あて先も何も書いてないし、男の人は場所も何も行ってな かったし…手紙渡したあとどっか行っちゃうから、結局一緒に待っててくれなかったし…」
…雅は困っていた。手紙を託した男性は家で腹筋をしていた。
「ふにゅ〜」
「うにゅ〜」
「ふ、ふたりについていけない!何を言っているのかよくわからない!」
…トシは困っていた。ちゃおと千は比較的のほほんとしていた。そんなところに…
「…あ、焼け残りのポールアル!」
「あれ?でもなんだか様子が変だよ〜」
ポールは仲間になりたそうにこちらを見つめている。仲間にしますか?
「はい」
トシは誰が何を言ったわけでもないのに、とっさに返事をしてしまった。ただどこかから声が聞こえたような気がしただけなのに、「はい」とこたえてしまった。
ポールが仲間になった!
「…へぇ〜、こいつ、仲間とはぐれたらしいアル」
「ちゃおさん、ポールの言うことがわかるんですか?」
「いや、そうだったら面白いなぁ、って思っただけアル」
「うん、その方が面白いよね〜」
…トシは困っていた。
雅はとりあえず街を出た。雅は常識人なので、勝手に人の家に入ってタンスの中を漁るなんてこともできず、とりあえず街を出た。
街の人に「ラケットが武器の戦士と、語尾がアルの女の子と、魔性の、いや、魔法使いの女の子の3人組を知りませんか?」なんて聞くのは恥ずかしいので、とりあえず街を出た。
「さぁ、どうしようかなぁ。…ん?あれは、波?」
周囲は海ではなく、だだっ広い荒野だった。が、雅の前方は激しく砂ぼこりが起こり、地面がうねっているように見えた。
「あれは…、ポール?しかもむちゃくちゃ多い!」
ピョンピョンと飛び跳ねてくるポールの大群、それは100や200では片付かないほどの数だった。ポールの大群は、雅に突進するように向かってきていた。
「な、何をするんだ!?う、うわぁぁぁぁぁっ!!…ん?」
ポールに倒される雅…、ではなかった。ポールの大群は、雅を自分たちの上に乗せピョンピョンと跳ねてどこかに連れて行くようだった。跳ねて動くポールの大群は適度に雅の背中を刺激した。→雅のHPが回復した!
雅はどこへ?仲間とはいつめぐり合うことができるのか?…つづく
「ふにゅ〜」
「うにゅ〜」
ちゃおと千は腕を組みながら歩いていた。
…トシは困っていた。ポールはトシの頭の上に乗っていた。