0泊2日の学年会旅行ののようなもの

 学年会旅行から帰ってきた同輩たちと、その凱旋帰国を迎えた私と学部的相方。
 ピア伴さんを家まで送る旅に出る。私がついていった理由は、
「なんとなく暇だったから。」
 そこから長いながらも非常にくだらない旅が始まる。
 旅行帰りや試験終わり、それぞれ疲れているのだろうが、その疲れのせいなのか何なのか、滑り出しからテンションは心地よい。ナチュラルハイで飛ぶ、跳ぶ。時間が長くかかってはいるし、それを短く感じることもさほどないのだが、長い長いこの時間が面白い。グダグダしているのに、緊張感があるように個人的には感じて、単に自分が何か出していれば面白いのではなく、そこからどう跳ね返ってくるかを味わうのが面白い。
 何より、ピアノ伴奏者であるユン様の天然さが面白い。そこをどんどん拾っていく同輩たちが面白い。
 「観覧車は転倒(点灯)」し「犯人を間違え」、山の見えるところで海が出てきて、「家の近くには大西くんがある。」
 まだまだいろいろとあるのだが、ここではなんだか書きづらいものばかりである。それは、中身が言えないというのではなく、本当にくだらないから。中身がないけど面白くて、書いてもつまらなかったり、本当は全然覚えてなかったりするから。「一時期のやっぱ君」とか伝えづらくて。
 ただ、そこにはわけのわからない空気感、言うならば、ライブのようなノリで展開していく、意味の無い興奮があった。とにかく、テンションがあがる、あがる。何かを出す方も相手に向かって出そうとし、受け取る側も積極的に受け取ろうとしていて、どんどんと興奮のような、発狂のようなものが増幅していった。とにかく、楽しかった。
 無事目的地に到着し、家の前で記念撮影(!)をする。
 行きがあれば帰りもあり、旅はまだまだ続く。何故だか「大西くん」という名のパチンコ店にみなが発狂し、写メールでとる成人たち。そこでは「大西くん計画進行中」らしく、我々は「大西くん神」の崇める身となる。大西くんはそこにいるのではなくて、大西くんはそこにあるのである。
 大西くんの話だけでかなりの時が過ぎる中、徐々に減ってくるガソリン。次第に緊張感が増し、工事による渋滞などでテンションも低下していく我々。何かの幻惑によってガソリンスタンドを見逃す始末で、だんだんと大西くんの話題も消えてくる。
 しかし、ここで神の力が示される。ガソリンが心もとなくなり、心も弱ってきた私たちに、何故だかガソリンスタンドが呼びかける。本当に不安になってきたところだったので、Uターンしなければいけないところであったが、迷う間もなくUターンする。そのセルフスタンドにはドトールもあり、ガソリンも精神状態も回復するわれら。
 つい先刻、私たちは帰路の序盤、大西くんに向かう前に、経路を間違えて、Uターンをしたのである。Uターン、コレが神の啓示、神の力でなくて何と言おうか。
 …、だとかなんとか、そんなことを言ってしまうぐらい気が乗っていたのである。空気がライブのようなグルーヴでおかしくなっていたのである。話を受ける側も出す側も、自然とその場全体を盛り上げるように、何かしらの働きをしていたのである。そこに偶然や、天然が絡まっておかしいくらいのテンションが生まれたのである。
 そんな熱狂と呼んでもいいようなものが、延々終わるまで続く、長い長い、だけれども楽しい旅でした。


 正直に言って、ここまで書いてみてものすごく伝わりづらいな、ってのはわかるんですけど、私としては今までにないくらいおかしい、楽しい感じでした。
 楽しませることが楽しく、全体が楽しもうとしている空気があるのは素晴らしいですね。